「正解」について。
ほとんどの人は、実は気づいていると思う。
世の中に正解というものは存在しないということを。
それなのに、世の中はものすごく沢山の正解のようなものであふれている。
その中から、自分が正解だと感じるものを選ぶ。
それを選ぶ人が多いと、「正解のようなもの」は「正解らしく」なっていって、
ある程度の得票数が得られると、晴れて「正解」の地位を獲得する。
だから正解っていうのは、その物自体という絶対的な存在ではなくて、
その時の投票率で決まる、流行みたいなものだ。
自分が正解だと感じる時のその感情も、
うっかりしているとこの流行みたいなものに簡単に流される。
正解っていうのは安心できる気がするからだ。
安心できるというのは、何も考えなくていいということだ。
不安な時は、どうやったらその不安を取り除けるか必死に考える。
つまり、正解っていうのは不安を取り除いてくれる作用がある。
だから、正解だと感じられるものがあれば人は安心できるわけで、
その正解の中身というのは、実はあんまり重要じゃないんだろう。
世の中に正解というものが存在しないことを、みんななんとなく気づいているから。