「と」について

「目的と手段」とか
「結果と過程」とか
何かしら関係のある二つの事象を並べて考えるとき、
「どこから見るか」で
「どう見えるか」が変わる
たとえば、
「目的のための手段」とはいうけれど
「手段のための目的」とは言わないし
「結果のための過程」とはいうけれど
「過程のための結果」とは言わない
「と」は助詞
並列を表す格助詞以外にも
条件を表す接続助詞にもなるから
意図するところは、読み人次第
でも、ぼくたちは
「時間は巻き戻らない」という前提の世界で生きている
その前提に認識を調整するために
ただの並列であっても条件というものさしではかってしまう
だから、ぼくたちは
ただの並列を、ただの並列というものさしではかってもいいと思うのです
そうすると
「手段のための目的」だってあるし
「過程のための結果」だってある
「と」という助詞を機能性で批評するよりも、
「と」という助詞の多元性を堪能するほうが、
世界はまだまだ、おもしろきかな