間と場3

建築をはじめた頃は 何にもわからなかったけれど
四半世紀やってきて 朧にわかってきたことがある
建築と街は 意味と余白に分かれている
建築と街が 断片化している
ということ
この断片をどうにかしたい
意味と余白を つなげたい
そんなことを思って建築を 考えてきたように思います
いろいろ試してきたけれど 行き詰まっていたように思います
意味と余白の連帯は どうしたらできるだろう
建築と街の触媒を みつけてみたらいいのかな
触媒を みつけて まぜて 編み直す
建築と街を 編み直す
トランスフォーメーションとか イノベーションとか
派手なションではないけれど
ぼくがやりたいのは 意味と余白のキュレーション
つくる と こわす
これが 都市の構造
売る/貸す と 買う/借りる
これが 資本の構造
つくって売って 買ってこわして
貸したり借りたり 借りたり貸したり
そんな循環を 直線経済でやっているのが 都市と資本の構造
需要と供給が ぎっこんばったん
止まらないように 目隠ししてる
たとえ
意味がなくても 気付かぬように
目隠ししてる ぎっこんばったん
建築と街は消費の器 それは間違いないけれど
行為が連なる間でもある
行為が絡まる場でもある
だから
市場の器を見直して
行為の間と場を編集したい
合理の論理で動く市場を
迂回の論理でドリフトしたい
轍はきっとバラバラで
飛んだり跳ねたり大変かもね
だけど
轍の軌跡が織りなすラインは
素敵なスピログラフかも
これを
建築と街でやってみたい
そんなことを考える
そして じっと 社会をみる
やってみたいと思ったのだけど
そんなことをやってくれる不動産屋はいなかった
それで
自分でやることにした
それが
間と場不動産
この不動産屋がやることは 余白の実験という遊び
築古ビルとか 0円不動産とか
再建築不可とか 耕作放棄地とか
およそ市場価値のない 余りもの
そんな余白に 意味のタネを蒔いてみたい
そんな余白に 意味の花を咲かせてみたい
仲介するのは 関係性
仲介するのは 意味の価値
間と場チャンネルという触媒
音声配信はじめたころは
こんな日が来るとは思わなかったけど
間と場不動産という方法
ぼくは この小さな実験装置で
建築と街をキュレーションしてみます
やっぱり、未来が予測不能って たのしい
間と場不動産 よろしくお願いします