陰翳礼讃2

 

「太陽光を活かしつつ、可変の人工照明を併用する」

 

そんなコルビュジエの構想から生まれた国立西洋美術館の絵画ギャラリーは、

 

保存の論理の前に折れ、

太陽光を完全に遮り、人工照明だけで制御されている

 

美術館の論理と、コルビュジエの倫理は

交わらなかったのだ

 

それはきっと、

技術と芸術のすれちがい

 

 

そんなことを思っていたら、ふと

「もし東洋が自前の科学を育てていたら、照明や音響は違う設計になったはず」

という谷崎の一文が頭に浮かんだ

 

 

技術に芸術を合わせていくようになる矛盾

 

 

芸術が技術から逃れにくくなる経路依存

 

 

谷崎が生まれる10年ほど前

絵の具チューブが発明されて、絵画が太陽光を覚えたころは

その自然光そのものもまた、作品の一部だったのかもしれないな

そんな、印象